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ドイツ語翻訳の現状と事業の理念

   

ドイツ語翻訳の現状と問題点

ドイツ語翻訳は、英語翻訳に比べて、より時間がかかり、料金も高めです。これには、ドイツ語の文章構造は英語よりは複雑で、難解ということもありますが、一番の問題は他にあります。それは、辞書の不備です。一般的な独和辞書については、高価なものでも、網羅する語数は十分とは言えず、また意味の欠落や誤りもかなりあります。最後に頼れるのは独独辞書(Dudenドイツ語大辞典全6巻等)だけです。また日英専門用語辞典にはオンラインのものも含めて、信頼のおけるよい辞書がいくつもありますが、日独専門用語辞典となると、その数は圧倒的に少なく、それらが網羅する術語も限られたものにすぎません。ただ、独英専門用語辞典には各分野にすぐれた、詳しいものがあるので、独和翻訳について言えば、独和辞典で見つからない言葉は、独英辞典に拠り、英和辞典を介して、日本語の翻訳語を見つけます。このようにドイツ語翻訳は、納得のゆくものを提供しようとすると、少し手間がかかります。


ドイツ語翻訳事業の理念と方針

翻訳者がやりがいを感じるのは、自分の翻訳が翻訳依頼者の役に立った時です。だから、翻訳者にとっては、依頼者が翻訳者をうまく活用して下さるなら、こんなにありがたいことはありません。そのために必要なのは、なにより依頼者と翻訳者の間の直接のコミュニケーションです。

専門文献の翻訳の場合は、特にこのことが重要になってきます。というのは、翻訳者は語学力については自信がありますが、実際にその専門分野に従事している訳ではありません。もちろん学問や技術に関しての一応の基礎知識があり、似通った分野での経験もあるかもしれません。そして問題のテーマについてはインターネットや百科辞書で調べることができます。しかし、このような知識は大雑把で表層的なものにすぎず、その分野の事柄の委細を把握しているわけではありません。ここで、依頼者側が翻訳者を活用できるかどうかが問われます。

事前の話し合いで、翻訳依頼の意図や背景、文献のテーマとなるキーワード等についての説明が少しでもあれば、翻訳のぶれも防止でき、納期も短縮できます。さらに翻訳に役立つような資料が提供されるなら、理想的ですが、ここまでは要求いたしません。(翻訳者の手に入る情報量は、翻訳の迅速さと正確さを左右します)

さらに、より重要なのは、アフターケアとしての話し合いです。納入された翻訳の精読後、依頼者側に疑問が残るようであれば、この対話で、依頼者の専門知識と翻訳者の語学力が手を繋ぎ、すべての疑問点の解明が可能となります。この段階ではじめて、お客様は納得されるはずです。

翻訳の仕方も、このような納入後の話し合いに役立つような形が必要となります。原文に言われていることを、細かなところまでも、すべてもれなく忠実に、しかも分かりやすい日本語で、翻訳すべきことは言うまでもないことです。とは言っても、翻訳では、二重の意味に取れるような曖昧な文章にぶつかることも間々あり、また特に専門文献の翻訳では、辞書やインターネットを駆使しても、見つからない術語も出てきます。

これらにいかに対処するかは、翻訳の品質を実質的に左右します。これらのことがないかのように、一応の体裁だけを整えて納入すれば、困るのは、依頼者の方です。私の場合は、もちろん完璧な翻訳は目指しますが、問題箇所がある場合には、必ずコメントを補足しておきます。また重要なキーワードについては、対応するドイツ語と英語の術語を付記します。このようにして、専門知識のない翻訳者が先入見や思い込みで勝手に判断するのを控え、お客様の方で判断が下せるようにするのが、また、そのために必要な情報を提供するのが翻訳者の義務ではないかと考えております。


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